犬を食べる国・ベトナム

2013年10月4日金曜日

先日、おうちの近くの市場でごはんを食べようと思ったある日のこと。

ベトナムの市場では、野菜やフルーツ、生肉に至るまで
日常の買い物は何でもできちゃいます。

市場の中にあるローカル食堂に立ち寄ろうとしたところ、
何やら動物の鳴き声が...。

1匹どころではない、
10数匹くらいの犬の悲鳴が聞こえてきます。

看板にはベトナム語で、Thit Cho
そう、そこは犬肉屋なのです。

実家で柴犬を飼っている身としては
一気に食欲をなくして、その日のお昼ごはんは抜いてしまいました...。

こっちへ来てびっくりしたことの一つに、
ベトナム人は犬を食べることがあります。

(※この記事には犬肉の写真とかグロいものは載せてないので、苦手な方もご安心ください。)


参考写真:実家の愛犬リリー



ベトナムでは、ハノイなど北部で犬肉が食べられます。
伝統文化というよりは、日常生活に密着しているレベルで。

市場にも、「犬の丸焼き」がでんっと売っています。
原型モロ分かり。

(※ちょっとしたグロ画像。あるけど、写真貼らないです。
「え、気になる」とか思っちゃった方はGoogle先生に訊いてみてください。)

毎日、けっこうな数のお客さんがいるので、人気なんだと思います。



ちなみに味は、クセがあって
強いお酒と一緒に食べるのが美味しいとか。


市場の犬肉(Thit Cho)屋
見つかります?


私はやっぱり抵抗があって、犬肉は食べていません。
ハノイ人にそう言うと、
「今度、わからないようにして犬肉レストランに連れて行ってあげるよ!」
とか、大変に恐ろしいことを言われます。

ベトナム人と犬

日本人にとって、犬はペット。家族の一員。
だから食べられない。

でも、ベトナム人にとって、
犬はペットという習慣があまりない。
だから食べられる。」

はじめは、それが日本とベトナムの違いの理由かと思いました。
でも、そういうわけでもないらしく...。

ベトナムでも、犬はペットです。
よく路上で放し飼いにされているのは、びっくりしますが笑

食べるために犬を飼っているわけでもなく、
やっぱり家族の一員として可愛がっているようです。


放し飼い...。



なかには大切な何かというか、野生のカンを
忘れてるヤツもいますが...。

このあたりの感覚は、正直よく分かりません;
(※ベトナム人に訊いて、今後追記したいと思いまする。 )


ベトナムでは、犬はペットであり、食べ物である。
じゃあ、それってどうやって区別するの?
食用の犬種とかあるの?

疑問に思って調べると、
残念ながら(というか当たり前?)、犬種に食用とペット用なんていう区別はありません。

さらに驚愕の事実発覚。

食用にされる犬は、家畜として育てられる場合の他に、
もともとペットだった犬が、盗まれて犬肉屋に売られる場合
かなりあるらしい。


こうして、年間500万頭の犬がベトナムで食べられているそうです。

(※ちなみに、日本でペットとして飼われている犬の数は約2500万頭、
保健所で殺処分されている犬の数は約8万頭。
日本の殺処分数が少ないと思っているわけではありませんが、比較のため。)


「犬を食べるとか、ありえない」、わけはない

ここまで、「犬を食べるとかありえない」という話をしてきましたが、
実際には、ありえないわけはないと思います。

もちろん、
犬食が「正しい」「正しくない」なんてルールは、どこにもないので。


例えば、日本人は鯨を食べます。
私も、鯨を食べることにはそんなに抵抗はありません。

でも、国際社会からは大きな反発をくらっています。
理由は様々ですが、「頭の良い鯨を殺すなんて、かわいそう。」

というのも多数。

あれ、これって「可愛いペットの犬を殺すなんて、かわいそう。」
と一緒なのでは...。

犬を食べるベトナム。
鯨を食べる日本。

まるっと入れ替えれば、同じこと。


さらに言えば、日本人は昭和初期くらいまで、
犬を食べる文化があったらしいですし。



外から眺めて、「自分ルール」に気づくこと


私が言いたいことは、

「正しい」「正しくない」の区別や常識など、
人の思考は、自分が生きる社会の常識や文化的な背景に縛られているということ。
思った以上に。

これは、国の文化の違いだけではありません
もっと小さなレベルだって。
友だち・恋人との「価値観の違い」なんて、まさにそれ。


絶対的なルールなんてない。

みんなわかっています。
でも、意識しないと「自分ルール」の枠で、何事もジャッジしてしまう。

そのために、時にすれ違いが起こったり、
価値観が違うからこそ、分かり合えたときに感動したり。


自分がどんな「自分ルール」=価値観を持っているのか。
それを知る経験は、自分がどんな人かを知ることでもある。

ベトナムに来て日本の価値観を眺めるように、
ふと一歩引いて自分の価値観を眺めてみる。

自分はどんな常識、枠の中に生きているのか、
人からフィードバックをもらって考えてみる。


ベトナムに来たからこそ、余計意識するようになったかな。

自分の価値観について考えている、この頃です。




犬食の話から価値観の話になってしまいました...。
「動物愛護」「生きるために食べること」--そのあたりのトピックにも興味がありますので、
そのへんはまた改めて書きますねー。


では!

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